平成12年より豊かな水をつくるため「水を守る森を残そうかい」を立ち上げ、水辺の環境保全の取組みを始めました。
「水を守る森を残そう会」でなく「残そうかい」に成っているのは、北川の方言で語尾に「かい」を付けると「何々を一緒にしましょう」の意味で、周りを誘う時に使います。
この取組みは、今伐採されようとしている樹齢30年以上の雑木林を切らずに残そうとするもので、植林をすると考えた時に植え付けや下草刈などの費用がかからないだけでなく、今在る多様性のある自然が残され、何よりも樹齢の分だけ時を戻せるメリットがあると考えました。
考える事は簡単ですが、形になそうとするといろいろ大変です。
まず山を残す場所の条件について河川流域であること、雑木林であること、30年以上生育した林であること、1箇所にある程度まとまっていることなど問題を提起してくれます。
場所が定まっても、所有者のご理解とご協力を取り付けなければなりません。
これが一番大変な作業でした。
10年目を迎えたこの活動も、周りの御理解をいただきながら昨年までの9年間で380.9町歩の多様性のある雑木林を保全することができました。
流域に雑木林を残すことは、水産動植物資源の保護のみならず、人間の営みにも深い関わりがあります。
自然環境保全を進め、清い流れの中に多種の魚類や水生生物があふれる豊かな川を目指し、水源の森つくりを継続しています。